時の記念日

時の記念日
体験談

こんにちは。STOP!ABUSE:管理人の秋好玲那です。

今日は『時の記念日』ですね。6月10日になると、毎年、高校時代のことを思い出します。

『時の記念日』を知ったのは、16歳のとき。私が通った高校は、少しめずらしい学校で、ひとつの普通科の中に、

  • 進学科
  • 演劇専科
  • 美術専科
  • 体育専科
  • 音楽専科

という、専門科がありました。入学して最初のイベントがこの『時の記念日』で、各科ごとに賞を争うのです。

私は演劇専科で、その年の1年生はクラシックバレエ、2年生はジャズダンス、3年生はブレイクダンスでした。

審査員は、演劇演出家、クラシックバレエ講師、ジャズダンス講師と、結構ガチ目なイベント。

各年ごとに優勝・準優勝が決まり、幸いにも私は準優勝をいただいて、仲の良かった先輩たちと抱き合って喜びました。イベント終了後には、

「時の記念日にイベントを開催しているのは、あなたたちに時間を意識してほしいからです。今しかないこの瞬間を、どうか大切にしてください」

という校長の挨拶があり、時間の大切さ、重要さを初めて感じた瞬間でもありました。

でも、まだまだ幼く、家庭環境に振り回されていた私には、時間を大切にする余裕もなく。

目の前のこと、今日を生き延びることに精一杯で、青春時代を謳歌することなく、たった2ヶ月で高校を中退することになってしまいましたが。

今となっては、イベントに向けて必死にバレエを特訓した時間、先輩たちと抱き合って喜んだ瞬間は、良い思い出として心に残っています。

ちなみに、準優勝記念で贈呈された時計は、母に破壊されて捨てられました。これもまた、ひとつの思い出・・・でしょうか(笑)

きっと、過去の私のような環境にいる子たちには、『時間』は恐怖や不安の連続だと思います。

私と似た環境で育った人たちにとっても、未だ『時間』は苦しいもの、つらいものかもしれません。

でも、いつか『幸せなあたたかい時間』に変わる日がくることを心から願い信じて、この仕事をしています。

来年の今日も、私はきっと同じことを考えるんだろうな、と思いつつ。私自身もまた、心新たに時間を大切に生きようと思います。

秋好 玲那

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北九州市在住の被虐待当事者です。 2000年から、少年院やグループホームなどで被虐待者の自立支援及び相談業務を行う傍ら、児童相談所などでの講演活動、大学など...

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